◇ユニバーサル・デザインのコンセプト◇
まず最初に、私たちの考えるユニバーサルデザインについてお話させていただきます。 それは、約10年程前にさかのぼります。 「門や塀のないエクステリアがあってもいいじゃないか」という私たち湘南企画工芸からの提案です。 日本の厳しい住宅事情では、建物とそのまわりを囲む塀との間が1メートルにも満たないケースが多くなっています。 そこで思い切って塀をなくしてみると、日当たり、風通しも良くなって、開放的な空間が広がるのです。 .................................... 規格を無くすことによって出入路は自由となり、門や塀の代わりに、樹木や草花などを計画的に植え込んだ ........................ 『プランツ・エクステリア』 『ガーデン・エクステリア』を積極的に提案することとなります。.................................................................... エクステリアには住む人にとっての快適さと、街並を形成する一部分という2つの要素があります。 それらすべてを総合的にプランニングしていくのが、エクステリアデザインの理想です。............................... この理想こそが、ユニバーサルデザインそのものだと考えます。 当世のガーデニングブームは、「エクステリア・造園・園芸」の領域とコラボレートし、その領域を広げることが できたのは事実ですが、私たちは新たに『普遍的な課題』に対応していかなければなりません。 ............................ 本格的な高齢化社会を迎え、社会的にも出遅れたエクステリアは、単に美しいガーデンデザインだけではなく、 より具体的で社会的にも意味を持つコンセプトが求められます。 ..................................................................................................................... そのひとつは外部空間のバリアフリー化であり、 より広い意味を含めたエクステリアにおけるユニバーサル化と言えるでしょう。 |
婦人生活社刊 『私の部屋 BISES 』 1994年春号 掲載 特集「美しいエクステリアを目指して」 |